Ratiometric fiberphotometry

光ファイバーを介して入射光を照射し、2色の蛍光強度を観察する独自技術をオリンパスさんと共同開発しました。
空間解像度は無く、光ファイバー一点のみの計測ですが、数多くの長所を持ちます。


1. 慶応義塾大学医学部の先輩である宮脇敦史先生が開発したFRET式蛍光タンパク質を利用すれば、2色の蛍光強度で比を算出できます。これによって蛍光色素の退色などによるアーチファクトを回避できます。
2. 光ファイバーを脳内に長期間留置できます。さまざまな行動実験と組み合わせることが可能です。謙二研ではphotometryで見て、optogeneticsで操作する、が行動実験の常とう手段になっています。
3. MRIとの同時計測に優れます。電極を用いるとMRI画像が劣化しますが、光ファイバーならばそのような問題は生じません。
4. 謙二研の遺伝子改変マウス技術と組み合わせて、特定の細胞だけにカルシウム感受性蛍光色素(Calemeon)を発現させます。電気生理では困難な、特定の細胞だけの活動観察が可能になります。
5. 計測に必要な消耗品(オプティックファイバー)が安価です。謙二研ではソーラボさんの手作りファイバーキットを購入し、ルシールさんに磨いてもらっています。