あいさつと研究内容(2024.1.5.)

 「統合失調症で淡蒼球が大きくなるのは何故か」。これが後期革新脳(FY2019-2023)で考え続けたことでした。まだその疑問を解ききってはいませんが、淡蒼球の体積変化にかかわる細胞や分子について理解を深めることができましたし、どのような条件がそろうと淡蒼球の体積が大きくなるのか少しずつ分かってきました。最終的には、淡蒼球の増大をともなう統合失調症モデルマウスを作ることで分かったと言えるのではないでしょうか。革新脳は2024年3月で終了し、4月からは新しい脳の国家プロジェクトが始まりますので、研究のスポンサーを失いますが、なんとか資金を獲得して淡蒼球の構造研究を続けたいと思います。

 研究は楽しいですね。研究を通じて、世界一を実感することも良し。研究を通じて、学生が成長する姿をみることも良し。研究を通じて、他の研究者と昵懇の仲になることも良し。研究は楽しい、という理念を共有できる方にラボに集まってもらい、個人個人が幸せになってもらいたいです。正直なことを言えば、苦しいことがあるから楽しいわけで、365日楽しいわけではないです。そして、楽しむために準備も必要です。スポーツだって下手だと楽しくないでしょう。ゴルフにいって、OBばかりだと全然楽しくないですよね。研究も同じで、試行錯誤ができるレベルまで技術と知識を高めないといけません。この獲得にそれ相応の時間がかかるので、その時間がないというヒトが研究を楽しむことはできません。
 
 最近つくづく研究のボリュームは大事だなと思います。研究のボリューム、研究の厚みは実験量と正比例します。実験量に裏打ちされた堅牢なデータには自然と頭が下がります。手を動かしているヒトにデータが集まるのは当然として、その結果、運も集まるように思います。やればやるだけ成果が出る。そういうラボになりたいものです。

最後にラボのモットーを再掲。
Beauty is truth 美即是真
研究を楽しむ 享受研究
共同研究者から学ぶ 半学半教


2023年の10大ニュース

1. 素因と環境因の蓄積による発病モデルを提唱(ジスキネジア論文、Cell Reports Medicine)
2. 学部生の論文が次々にアクセプト。
3. 木村生さんがラボに合流。吉田君の墓参りに行きました。
4. 森藤さんがラボに合流。HSV使用を東大医科研の川口ラボで開始。
5. ヒト脳検体から神経活動計測に成功。支えた小杉さんが偉い。
6. 先端研ガン免疫と定期交流。
7. passive JCが習慣化。朝8:45から10-15分を週3回。
8. 山形大学山崎先生に共同研究のお礼をしにいく。
9. ラボレク、納涼会、忘年会が復活。
10. 体育会アメリカンフットボール部の部長職更迭 + 役職激増(医学研究科長補佐、神経化学会副理事長、神経科学会執行理事)

 

過去のあいさつ