あいさつと研究内容

 

昨年の12月27日に大掃除と忘年会を終え、2018年を振り返りました。ラボの大掃除では、床にワックスを掛けるために机、冷蔵庫と出せるものは全て外に出します。部屋は当然ガランとするわけで、2012年4月のラボ立ち上げ当初の何一つ無かった状態を思い起こさせます。今でもラボ立ち上げ時に譲り受けた不揃いの机と椅子は買い換えることなく大事に使っています。初心に戻ることでここまで支えて下さったヒト・モノに自ずと感謝の念が湧いてきます。忘年会には2014年度の自主学習生が参加してくれ、盛り上げてくれました。ヒトのご縁も大事にしています。キングやTwinkleも遊びに来てくれました。同窓会長のオタキくんもありがとう。その他大勢の同窓生皆さんと旧交を温めることができました。

2018年は2つのお別れがありました。1つは2017年末の生理学教室名誉教授 植村慶一先生の逝去で、知らせを受けたのは2018年に入ってから。突然の逝去に皆驚きました。5月に生理学教室葬として偲ぶ会が行われました。私は世話人の一人として精一杯務めました。もう1つは2018年10月の生理学研究所名誉教授 池中一裕先生の逝去です。これについては覚悟をしていたとはいえ、その喪失感は大きかったです。通夜では池中夫人の前で号泣してしまいました。私は植村先生に導かれて神経化学の道に入り、植村先生が大学院修了後に池中研での更なる修行をガイドしてくれました。その植村先生の強引な押し(田中君、君はまだ留学とか言うレベルじゃないから池中君に鍛えてもらいなさい)に、「植村先生に頼まれたら断れんやろ」と言って受けて下さった池中先生にその後9年間お世話になりました。私がオプトジェネティクスを血肉とすることができたのも、池中研での遺伝子改変マウス作成とそのスクリーニングで十分に力を蓄えることが出来たからであり、この堅牢な基盤が私の研究力の源になっています。どんな方とも別れがきます。引き継がせてもらった交友関係、間近で見た研究哲学、人生のあり方、これらすべて故人からの贈り物です。大事にしたいと思います。そして同様の贈り物を私の後輩にすることができれば本望です。

慶應に来て7年が経過しようとしています。FAST system、KENGE-tetをはじめとするマウスジェネティクス、とことん取り組む組織学、in vivo生理学、オプトジェネティクス、信号解析技術をこれまでのラボメンバーと積み重ねてきたおかげで、光計測と光操作を組み合わせた神経回路研究、光操作と脳画像(特にMRI)を組み合わせた神経解剖学を展開できるようになってきました。2017年に大きな成果が出ましたが、2019年にも大きな成果が期待されます。

2019年に新たに掲げるテーマは3つあります。1つは脱ANOVAです。これまでの統計解析はほぼすべてANOVAで許されましたが、最近はmixed modelで解析しないと論文を受け付けてくれない経験をしています。まずは銅谷ラボの論文を参考にしてはじめてみます。2つ目はRNA seqをやること、3つ目はエピゲノムの視点で神経回路変化を捉えることです。これまで貧乏だったためにRNA seqをすることが難しかったですが、慶應のinternal grantをいただいているチャンスを活かして、次世代シーケンサーをフル活用する予定です。データに埋もれる危惧はありますが、MRI解析で比較的多量のデータを扱うことに長けている高田さんと阿部さんに頑張ってもらいます。

あいさつの最後に変わらぬ研究室運営のモットーを3つ。

1. Beauty is truth.
2. 研究は楽しくなければならない。楽しくない研究はするな。(by 池中一裕)
3. 共同研究者から学ぶ。


2018年の10大ニュース

1  阿部さん、よく頑張った
2  幸福脳@慶應赤倉山荘のBBQ最高
3  エジプト精神科医 Manalさんの成長
4  血管壁細胞の当たり年。Soojin、大石くん、期待しています。
5  グリアアセンブリYoungGliaやりきった
6  神経化学若手育成セミナーやりきった
7  慶應ミニCOEゲット
8  脳外科医 小杉さんが研究を始めた
9  高田さんがastro-BOLD論文のケリをつけた
10 しばらく准教授で精進せいというお達しが来た

 

過去のあいさつ