- 新年のあいさつ 2014.1.4
平成24年(2012年)4月からスタートした当ラボももうすぐ2年を迎えようとしています。遺伝子改変と組織学一辺倒だったラボに電気生理学が加わり、オプトジェネティクスを看板に掲げても許される状態になってきました。二人のprinciple investigatorによって運営することによるメリットを最大限に活かせています。
「こころの病が治るとはどういうことか」を知るために研究をしていますが、やればやるほど、脳のこと、体のことをもっと理解する必要があると考えさせられます。一人で全部やるのは無理ですが、皆でやると色々なアイデア、技術がわき出てきます。それが形になるのは楽しいことです。形にならないとしても、交流した結果は残ります。発散の過程は楽しく、収束の過程は苦しいですが、収束(論文投稿という戦い)の過程も励まし合いながらやるのが良いと思うようになりました。
そのような過程を経て、回復力の源泉に少しでも近づけられればと思います。マウスを用いることによる限界もありますが、マウスでしか出来ないアプローチを活かして、生き物に共通する回復メカニズムを見いだしたい。実は、まだ私の力不足で、回復メカニズムを知る研究のど真ん中を歩くことは出来ません。その準備を一生懸命やっているところです。学会などでお会いすることがあるかもしれませんが、私の発表内容の先に、私の研究人生のゴールを感じ取ってくれれば幸いです。
平成25年からは、ラボの人数も増えます。私に無い技術や知識をもったPhDが何名か参画します。非常に楽しみです。多くの人がラボに出入りして、そこで交流を重ね、慶應精神科でしか出来ないことを各自がやり、ここでしか思いつきそうもないことを各自が考え、楽しんで仕事をしてもらえればと思います。
寄附を頂いている塩野義製薬株式会社、中外製薬株式会社、Meiji Seikaファルマ株式会社、持田製薬株式会社、吉富薬品株式会社、大日本住友製薬株式会社に感謝いたします。
昨年の10大ニュース
1. 国際シンポジウムOptogenetics2013の主催
2. Karl Deisseroth招聘(尾藤さん、ありがとうございました)
3. 高田さんの科研費ぜんぶ採択
4. 土砂降りの中、久里浜医療センターへ見学
5. 共同研究者を招いての納涼会でスプラッシュ
6. 滝上くんの研究が加速
7. Rene Henと京都でお食事
8. 眼科ドライアイグループ(中村滋さん)の膨大な実験量に圧倒される
9. 高田勉強会が軌道に乗る
10. 木曜日昼のメーヤウがラボのリズムを作る
再度、研究室の運営における私のモットーをここに掲載します。
1. Beauty is truth.
2. 研究は楽しくなければならない。楽しくない研究はするな。
3. 共同研究者から学ぶ。